税理士事務所で働く楽しさって何?
税理士事務所に働いている人の中には、月次の入力業務や決算申告の期限に追われ忙しさに追いかけられて、仕事のやりがいや楽しさを感じられていない人も少なくありません。
仕事をテキパキとこなし楽しく仕事をできている人もいれば、反対に仕事に忙殺され仕事がつまらないと感じる人もいます。この違いは一体どこから生まれるのでしょうか?
根本を考えると、税理士事務所の仕事に魅力を見出している人と、そうでない人という捉え方ができます。
税理士事務所の立ち位置、特徴を確認しながら、税理士事務所の魅力は何か?についてみていきたいと思います。
※顧問先企業を主に中小企業を前提として考えていきます。
直接社長をサポートできる数少ない仕事の一つ
一般的な商品販売業やサービス業は、最初から最後まで直接社長とやり取りを行うケースは少ないです。それに対して税理士事務所は、会社が存続し顧問契約が継続する限り社長との直接のやり取りを行いながらサービスを継続し、長期的なビジネスパートナーとしての関係性を築いていく仕事です。
起業時の応援、経営の問題や悩みを抱える社長を身近で応援したい方にとっては、これ以上ないお勧めの職業といえるでしょう。
税理士事務所はサービス業である
「税理士事務所の商品は申告書である」とよく言われますが果たして本当にそうでしょうか?
確かに申告書や決算書はお客様にお渡しする納品物であり、ある意味『商品』といえますが、それらをいくら綺麗に製本したり見栄え良くしても、社長にとっては意味をなしません。
税理士事務所は商品販売業ではなく、サービス業、もっといえばコンサルティングサービス業です。大事なのは決算書の中身です。決算は社長にとっては会社の努力の結果であり自分の成績表のようなものなのです。そしてこの決算書は機械的に計算されるものではなく、その数字に至るまで何度も社長とのコミュニケーションを重ね、社長が満足できる決算書を作成しようとする税理士事務所の担当者の熱意があって初めて作りあげられるものです。こういった意味からも、決算書という形を商品にしてるのではなく、決算書を作るまでのサービスを商品としてることがわかるかと思います。
社長の最高のビジネスパートナーになる
「うちは税理士事務所だし、税務と会計だけサポートしよう」と考えていませんか?
担当をしていれば、節税や融資の相談はでてきます。もちろん、相談される前にこちらから提案できるようになることは言うまでもありません。
社長の多くは僕ら会計人が思っている以上に、会社のお金を扱っている税理士事務所の担当者に潜在的に期待を持っています。しかし、現実的にはそれに応えられていない現状があることも否めません。
それでは、担当者はもっと多くの知識やノウハウを得て、マーケティングや経営コンサルティングの領域まで踏み込まなくてはいかないのかというと、実はそこまでは求めてはいないんですね。
もっと会社のことを知ってもらいコミュニケーションを多くとっていくことで、より円滑に業務が進み、信頼できる税理士業務を提供してもらいたいと思っています。
それこそが、社長が担当者に求めるビジネスパートナーとしての役割であり、税理士事務所の担当者の真の役割といえるでしょう。
顧問先の月商、粗利率、経常利益率、借入額をすぐに言えますか?
あなたは、顧問先の会社の月商や粗利率などの経営数値はもちろん、その社長の抱えてる悩みや目標、社長の趣味など全て把握していますか?
これら社長の会社の状況をいつまで経っても把握せず、ごまかしている人はどこかで社長に見抜かれて信頼を下げ、ただの職員とでしか見られなくなります。
また入社歴が長くなっても、いつまでたっても業務効率が早くならない担当者は、完全にこのパターンにはまっています。会社の状況を把握していない、社長とのコミュニケーションが円滑にできないということは、適正な試算表や決算書を作るのに余計な時間を要しているケースが多く、また今更社長に聞けないということで、完全にループ状態になり、悪循環を生んでいます。
社長のことを知り会社のことを知ることで、信頼関係が生まれ、顧問先の紹介を受けたり、業務を円滑にしていくことができるようになります。
様々な業種の会社、様々な社長の人間模様を見ることができる
税理士事務所ほど多くの業種を見ることができる職業はありません。飲食店から美容室などのサービス接客業からIT関連、建設業や物づくりの職人、その他様々な業種の会社を見ていくことができます。それも数字の裏付けを持って。
また昨今の厳しい経済環境の中で、社長が多くの経営課題に向き合って成長していく姿や、そのときにどんな意思決定をするか、役員や社員に対する人間模様などを担当者は目にしていくことで、担当者としても人間としても色々な気づきが生まれます。
一流の税理士事務所のプロ担当者を目指せ
日々の業務に追われ、時間や顧問料などに束縛されたサービス対応になっている場合が多いかと思いますが、それ以上に社長のために動く時間は、担当者にとっても決して無駄ではないことが分かるかと思います。
IT技術の進歩による効率化の視点や顧問料の低価格化の時代に、もう一度、社長と担当者としての人間的なアナログのやり取りを見直してみてはいかがでしょうか。
税理士事務所の担当者として成長する限界を決めずに、今の顧問先を大切にし、一流のプロ担当者を目指しましょう。
税理士事務所の仕事は本当に魅力が詰まっていると思います。
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この記事を書いた人

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税理士/webコンサルタント/経営コンサルタント
1975年 東京出身
東京下町の浅草出身。会計事務所・コンサル会社を経て2006年に古尾谷会計事務所(後の税理士法人FIS)設立。「親切・丁寧・迅速」をモットーとしてわかりやすい会計サービスを提供するほか、マーケティングや経営全般についてのサポートを行う。その後多方面のニーズに応えるためWEBコンサル会社、同じ税理士を支援するためのコンサル会社を設立。2012年にベンチャーサポート税理士法人と合併し、現職に至る。
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