VOICES & VISIONS

Interview 06

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Interview 06

税務の枠を超え、
企業の未来を描く戦略家になる。

木村 瑠伊Rui Kimura

財務会計コンサルタント|日本橋統括マネージャー
2016年 中途入社

小学校から大学までアメリカンフットボールに打ち込み、
裏方として戦略を描く役割に魅力を見出す。
大学卒業後、税理士を志して簿記を学び、
未経験からベンチャーサポート税理士法人へ入社。
入社2ヶ月で担当を任され、翌年には営業に抜擢。
大阪・東京の複数拠点を経験し、
現在は日本橋オフィスの統括マネージャーを務める。
一緒に働くスタッフも、
起業家の方々も、「ベンチャーサポートに出会えてよかった」と心から感じられる、
そんな組織を目指している。

裏方に徹することは、
“脇役”を意味しない。
小学校3年生の時、兄の影響でアメリカンフットボールをはじめました。全国でも珍しく、部活としてアメフトがある小学校だったんです。小・中と本気でやりきった分、高校では一度距離を置きましたが、大学で再び再開。ポジションはコーナーバック。花形ではありませんが、相手のレシーバーを止め、得点を阻む役割に誇りを持っていました。ただ、体格には恵まれず、選手として抜きん出るのは難しいと限界も感じていたんです。
そこで見出したのが、“アナライジング”という役割でした。対戦相手の試合映像を繰り返し見ながら、プレーの傾向や選手の癖を研究したり、自チームがどう動けば勝てるのか、練習メニューや戦略を組み立てていく。他のスポーツ以上に、こうした分析が勝敗に直結するのがアメフトの特徴でもあります。選手として表に出ることはなくても、フィールドの外からチームを支えることができる。試合中、みんなが自分の描いた通りに動き、勝利を収めた瞬間の嬉しさは、また格別でした。
そして今は、財務会計コンサルタントとして、お客様のさまざまな課題に向き合っています。経営者の想いを汲み取り、会計データなどの数字の裏側に潜む本質的な課題を読み解いていく。そして「どうすれば目標に近づけるか」を描き提案することで、会社を動かし、成長につなげていく。実際に事業を動かすプレイヤーではありませんが、そのプロセスを共に歩めることが、この仕事の醍醐味であり、そこにこそ、自分の存在意義を感じています。

そのひとの人生に、
そのひとと同じ熱量で向き合う。

入社から2ヶ月で担当を任され、その1年後には営業に抜擢されました。圧倒的な実績があったわけではありませんが、評価されたのは「前のめりな姿勢」だったと思います。当時は、毎日、朝早く出社し、夜遅くまで勉強に取り組むのは当たり前。土日も、個人的に自己研鑽を続け、「誰よりも努力できること」が自分の武器だと思っていました。
最初は大阪オフィスに所属し、その後はさらなる成長を求めて東京へ。エリアが変われば顧客の特性も異なります。大阪では美容師や建設業など職人肌の経営者が多いのに対して、東京はITやコンサルなど無形サービスが中心です。数字の見せ方や求められる提案の仕方も変わります。拠点をまたいで経験を重ねたからこそ、あらゆる業種の知見や提案の幅も広がったと思います。
なかでも、渋谷オフィス時代に出会ったクリーニング店の経営者とのご縁は特に印象に残っています。開業当初は大赤字に苦しんでいましたが、勤怠管理の見直しや人材配置の最適化を提案することで改善の糸口を見つけました。それまでは店舗に勤務していた店長を、あえて工場に配置し直したことで、全体の生産性とモチベーションを高めることができました。その後、売り上げは改善し、今ではネイルサロンや不動産業など多角的に事業展開されるまでに成長されています。
いつからか事業の話だけでなく、ご家族のことを語ってくださるようにもなり、ある日、お母さまが癌で亡くなられたことを打ち明けてくれました。その瞬間、「自分は、ただの外注先ではなく、経営者の人生そのものに伴走しているんだ」という実感が芽生えました。そのひとの人生に、そのひとと同じ熱量で向き合う。こうした関係性は、他の会社では築けなかったかもしれません。

引っ張るリーダーから、
見守るリーダーへ。

今では、日本橋オフィスで統括マネージャーを務めています。当時は、誰よりも努力して、誰よりも動く。それが自分なりのコンサルタント像であり、メンバーにも同じ姿勢を求めていました。しかし、ある時、上司からこう言われたんです。「そのやり方だと、ついて来れる人しか、ついて来れなくなるよ」。ハッとしました。その時、自分がとっていたやり方は、どちらかといえばトップダウンに近く、一定の型を決めてメンバーをそこに当てはめるスタイル。押しつけているつもりはなくても、結果的にはそうなっていたんです。
それからは、無理に型にはめることはせず、あえて放っておくこともあります。その代わり、本人が壁にぶつかった時や「なんとかしたい」と思った時には全力でサポートする。その距離感が、ちょうど良いのかもしれません。
また、自分自身も以前は常に120点を目指して走り続けていましたが、今は「90点でもいい」と思える余裕を持てるようになりました。数字を追い求めるだけでなく、メンバーの感情や変化にも目を配りながら、成長を促していく。リーダーとしての意識の変化によって、以前よりメンバーとのコミュニケーションも活発になったと思います。こうした失敗も糧にしながら、これからもっと多くの仲間から信頼されるリーダーを目指したい。
そして、起業家支援という魅力ある仕事をより多くの人に知ってもらい、より多くの起業家に必要とされる存在として、ベンチャーサポートの成長を自分自身で体現し続けていきたいと思っています。一緒に働くスタッフも、起業家の方々も、「ベンチャーサポートに出会えてよかった」と心から感じられる、そんな組織をつくっていきたいです。学生時代、自分自身がプレイヤーから裏方に転じたように。あの時、感じた「自分の戦略でチームを勝たせる」喜びを、次はベンチャーサポートという大きなチームで実現したい。そんな想いを胸に、これからも挑戦を続けていきます。